福島県にございます諸橋近代美術館よりお知らせです。
諸橋近代美術館では、Zoomを使った無料のオンライン講演会【モろ美大學 第8回「美術/アートにおける虚と実」】を 開催します!
第8回目となる今回は、美術教育の研究者で社会とアートの関係についての研究や実践に取り組む神野真吾氏を講師にお迎えし、「美術/アートにおける虚と実」をテーマにご講演いただきます。
神野氏は山梨県立美術館学芸員として11年間勤務した後、千葉大学に准教授として勤務し、現在は角川武蔵野ミュージアムにおけるアート部門のアドバイザリーボードも務めています。
現代社会においてアートを「虚と実」をテーマに見ていく今回の講演会は、美術教育に関わる皆様にも興味深い内容であるかと思いましたので告知させていただきます。無料での開催ですので、ご興味ある方は是非ご参加いただければ幸いです。
講演会名/ 【Zoom講演会】モろ美大學 第8回「美術/アートにおける虚と実」
実施日時/ 2021年10月16日(土) 17:00〜18:30
参加方法/ 下記URLに記載のWEBフォームより事前にご予約いただき、オンライン会議システム「Zoom」にてご参加ください。
※参加は無料ですが、通信料はご自身のご負担となります。
《講演会概要》
美術は基本的に「虚」を扱ってきたメディアだと言えるかもしれません。
素朴な願望、宗教、ユートピア、ディストピア、心象風景にしろ、現実の世界を描いたものも「写し」としては虚=illusionということになるでしょう。
そうした「虚」のアートを20世紀にふさわしい形で、古典的な技法を用いつつ追求したのがサルバドール・ダリです。それはまた、実の世界に価値を置き、科学的な客観的で正しい認識を求めた近代への反動としてのシュルレアリスムのあり方そのものとも言えます。 しかし現代は、リアルな世界を最も重要なものとするが故に、「フェイク」がリアルを担保としつつはびこる事態が多発し、それは「複製技術」がリアルを創造(捏造)することを高度に、容易に、可能としました。
こうした時代状況では、古典的な技術を用い「虚と実」の間で表現行為を行ったダリの作品は、現代の若い世代にとっては驚くべき対象ではなくなっているのかもしれません。
一方で、多様化する現代アートを「虚と実」ということで考えると、社会を指向するアートが影響力を持つようになる中で、「実」に重きが置かれ、表現行為が「実」に影響を与えようとすると、その行為が政治化するということにもつながりうるという課題も持っています。
今この時代に、みなさんと一緒に「虚と実」をテーマに現代のアートを見てみましょう!
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